♪うさぎ追いし、彼の山 こぶな釣りし、彼の川♪
開会式に先立ち「音楽都市こおりやま」を代表して、郡山市立大島小学校児童による「ふるさとメドレー」のさわやかな合唱が披露されました。
その澄んだ歌声に会場の参加者全員が魅了された後、「それぞれの実績と参加者との思いが郡山市で豊かなハーモニーを奏で、シンフォニーのごとく互いに響き合い、大きな成果につながることを期待します。」との三瓶京子実行委員長の開会宣言で、40周年記念全国公立小中学校事務研究大会福島大会が開会されました。
木村信哉全事研会長の主催者あいさつに引き続き「学校事務職員の担うべき役割は重要であり、積極的に学校運営に参画されることを期待します。」との鈴木恒夫文部科学大臣の祝辞を、文部科学省大臣官房審議官・前川喜平氏にご代読いただきました。
続いて、福島県副知事・松本友作氏からは、「学校変革が求められている昨今、事務職員の方々にとっても新たな流れの中で課題に立ち向かい乗り越えていかなければならない時期、本研究大会等を通して成果を期待します。」との佐藤雄平知事からの祝辞をご代読いただきました。
郡山市長・原正夫氏からは、郡山のめざす子ども像『思う存分学びと自立と共生をめざす子ども』と『音楽都市宣言』について紹介され、「研究会の発展と会員の活躍を期待いたします。」と歓迎のあいさつをいただきました。
福島県教育長・野地陽一氏からは、「学校職員はもちろん、保護者、地域住民、教育委員会と連携して子どもたちのために取り組んでいく姿勢が重要。子どもの豊かな育ちを支援する学校事務の実現のためのより良き学校運営を担う一翼として、大いに貢献されることを期待します。」とごあいさつがありました。
また、全日本中学校長会長・壷内明氏(全日本中学校長会副会長・半澤富美雄氏代読)よりご祝辞をいただきました。
最後に社団法人日本PTA全国協議会長・曽我邦彦氏からのご祝電が披露され、開会式は終了いたしました。
文部科学省大臣官房審議官 前川 喜平 氏
このたびの内閣改造による新大臣就任という大変お忙しい中、教育改革や予算を中心とした文部科学省の施策や学校事務をめぐる諸情勢などについてご講演いただきました。
1 学習指導要領の改訂について
学習指導要領の改訂は学校運営の基本となるものなので、中教審答申も合わせて文部科学省のホームページをご覧いただき、十分理解していただきたい。
マスコミ等から「ゆとり教育からの脱却」で学力重視と言われているが、今までと理念は変わらず「生きる力」を重視したものである。
また、「習得型学力」である各教科での指導と「探求型学力」である総合的な学習等のつなぎの部分の「活用力」が大切である。基礎力を身につけることにより、その力を活用するために各教科の時間数が増えて、総合的な学習の時間は減っているが、その大切さは変わっていない。
2 教育振興基本計画について
教職員の配置を中心とした教育条件整備などの教育投資を増やすことを目的として策定された。平成20年度を5カ年計画の初年度とし、定数改善などの部分で一定の成果がみられている。
この基本計画は中央教育審議会の特別部会の答申により閣議決定したものである。最初は数値目標を掲げたが、行政改革推進法や骨太2006方針によって、平成23年度までの定数の削減が目標とされているため、具体的な数値目標を盛り込む事はできなかった。
3 予算について
本年度補正予算では、学校施設の耐震化、就学援助、新学習指導要領移行のための補助教材等を対象として算定する予定である。さらに、来年度の予算要求に向けて最大限に努力していきたい。
4 学校マネジメントの改革について
共同実施組織や複数配置校などに事務長設置を検討しており、今年度中には制度化する見込みなので期待して欲しい。
日本の学校組織は、教員が多いという配置の在り方に特徴があるが、マネジメントするスタッフが必要であり、その要となるのは学校事務職員である。アメリカやヨーロッパなどでは4〜5割近くが教員以外のスタッフであるのに対し、日本は2割以下となっている。このことから、教員が子どもと向き合う時間を確保するためには、マネジメントを支える学校事務や事務長の存在が必要である。
最後に、学校づくりはコミュニティーづくりになっていく。学校教育が地域と一体化していき、その中での学校事務が重要になってくるであろうとまとめられました。
『変化が激しく多様な時代だからこそ、学校事務の本質を再確認し、その変化に的確に対応しなければならない』
このことを原点に、学校事務のグランドデザインが策定されました。
まず初めに、鳥本安博全事研研修部長より、大会3日間のオリエンテーションと、「学校事務のグランドデザイン策定事業」の経過報告がありました。
次に、檜山幸子全事研副会長より学校事務のグランドデザインのねらい・意義、新しい時代の学校事務及び事務職員像などについて、「学校事務のグランドデザインは、新しい時代の学校事務及び事務職員の中長期的な将来構想・全体計画であり、その目的は、新しい時代に対応した質の高い学校事務を実現させることを通して、教育の質の向上・子どもたちの豊かな育ちを支援していくことである。
今回のグランドデザインのキーワードとして『トータル・プロデュース』『事務長』『地区学校事務室』の3つを掲げ、新しい時代の学校事務組織への展望、事務長の役割、そして教育目標達成のため、学校経営ビジョンを実現し、子どもの豊かな育ちを支援する新しい時代の学校事務の実現に向けて、めざすべき事務職員像である『学校のトータル・プロデューサー』としての力量・資質能力向上を図っていくために、各支部・各会員それぞれが知恵を出し合い、自ら行動を起こすことが求められる。」という説明がありました。
最後に、岡崎信二全事研研究部長より、グランドデザインの実行策について、7つの戦略を通して報告がありました。「実行策を実現するためには、さらに詳細な事業計画や検証のための評価指標、事務職員だけの事務職員のための活動から脱皮を図ることの3点が必要であり、さらに学校支援組織や地域・保護者との連携が重要である。『子どもの豊かな育ちを支援する学校事務』を実現し、実績を積み上げ、新しい時代の学校経営の要として学校の総合力を高めていく原動力になろう。平成21年度福岡大会以降、「財務」「地域連携」「教育課程」をテーマとし、第7次研究中期計画がスタートする。まずは学校財務を統括することをめざそう。」という説明が実行策シートを基になされ、「キーワードは“変化”です。」という言葉で締めくくられました。
記念講演「脳を育む−脳科学からのメッセージ−」
講師 東北大学加齢医学研究所 教授 川島隆太 氏