本部研究分科会  岡崎研究部長より、学校の総合力が問われる学校の危機管理を中心に、事務職員の役割、学校経営や学校事務、求められる事務職員像について研究概要の説明がありました。
本部研究分科会  引き続き、安全安心な学校づくりや危機管理と事務職員の役割について提案がされました。参加者から、事務職員として何ができるのか、行政機関や管理職との連携はどうするのかという質問や、それぞれの体験が出され、助言者から事務職員としての役割や具体例についてご助言をいただきました。
 午後からは、第7次研究中期計画に向けて、事務職員の役割を機能の面から捉え、企画立案を重視した提案型学校事務を推進し実践していこうとの提案がされました。
 研究協議では、事務職員の役割について意見交換が行われ、グループによるワークシート作成を行いました。演習を通してそれぞれ自分ができる提案について具体的に話し合うことができました。

助言者より
横浜市立元石川小学校 副校長   
落合 孝氏
 安全が最優先という視点を大事にして、事務職員としてできることを考えてもらいたい。学校をマネジメントしていくことが大切である。
上越教育大学大学院 教授 若井彌一氏
 危機管理については一般の大人の意識改革が必要であり、巻き込んでいくことが重要である。説明責任の時代で、事務職員もプロフェッショナルとして一人一人が意識して努力していくことが大事である。
 助言者より
 

参加者の声

危機管理ということで地域の事情や環境によって違うと思うが、取り組めるところから実践していきたい。(東京:男性)
危機管理についての提案で、身近なことだと強く認識した。(山形:女性)
演習講座  全事研本部による、学校組織マネジメント研修の普及と定着を目指した「演習講座」も神奈川大会から今回で3回目で、最終回となりました。
 KJ法とSWOT分析の技法を用いた「学校財務」をテーマにした班別グループ演習では、各班とも時間も忘れて、各自から出された問題点を一つのシートにまとめる姿が見られました。講師の加藤崇英氏から「問題点を見つけるだけでなく、課題・解決策を探っていくことが演習の目的である。組織として広く学校全体を見て、仕事を再配分することが大切である。」との助言がありました。

第1分科会  目指す「とちぎの学校事務職員」について、個人をひとつの楽器に、組織をオーケストラにたとえて提案がされました。
 前半は、個人が身につけるべき専門的力量、理想とする事務職員像について情報交換を行いました。
 それをもとに後半は、組織化することの有効性についての提案があり、バーチャル組織によるグループ討議を通して活発な意見交換が行われました。

意見交換

<個人として積極的に行っていること>
児童の学校行事等の写真を事務部で管理して、学級だより等に活用している。
校内の電子データを管理し校務分掌ごとに保存している。
学校企画による予算の立案、計画、教育委員会への説明を行っている。
成績処理ソフトを作成したが、全員で使用することが課題になっている。
<組織で取り組むと有効なこと>
小中学校での児童生徒のデータの受け渡しができるのではないか。
共同実施をグループで週1回行っているが、集まらなくてもできないか。
第1分科会の様子
 
助言者より

助言者より
神奈川県開成町教育委員会教育長   
松浦晃幸氏
 行政との連絡調整を事務職員の仕事と考えています。共同実施は、事務職員のスキルアップにつながるという観点を持ち、必要とされる人材になってほしいと思います。
宇都宮市立昭和小学校 校長 木村茂夫氏
 企画、立案、提案の構成メンバーとして活躍し、情報ネットワークに積極的に取り組んでください。みんなで一緒にやることによってモチベーションが高まり、資質の向上につながると考えています。
参加者の声

岡山県では、加配なしで共同実施が始まりました。経験年数の違う人同士が助け合うことは、とても心強いことです。(岡山:女性)
来年度の予算確保のため、何が必要なのか提言していけるようにしたいと感じました。(神奈川:男性)
  第1分科会の様子

第2分科会  東海事務研は、4県それぞれの研究テーマやその手だては違っていても、子どもの豊かな育ちの実現をめざしています。
第2分科会の様子  岐阜支部は「生き活き学校事務構想」からの学校経営参画。静岡支部は「コスモスプラン」に基づいて事務職員の力量を高めること。愛知支部は「学校経営支援システム」による事務部門の強化。三重支部は、正確で質の高い事務の提供を通して、めざす学校像の実現を支援する学校事務の共同実施について、それぞれの県の研究の柱を基にした「子どもの豊かな育ち」の実現をめざす取組みが報告されました。
 続いてのパネルディスカッションでは、静岡・三重・愛知の会員からの具体的な実践報告を交え、東海地区4県の研究と、東海事務研の役割について話し合われました。
第2分科会の様子
パネルディスカッションより
日本女子大学人間社会学部客員教授   
教育課程指導室長 長谷川邦義氏
 「笑顔にする学校事務」とは、安心・満足・信頼の学校をめざし、学校経営に参画することで、自らの存在感、効力感を高めることです。東海事務研は、4県の良さを補完し刺激し合うことで、新たな気づきを共有することができます。さらに、実践を点から線、面へとつなげていき、地域の特性を活かして、先進性を発揮することを期待します。
前 全事研会長 廣田正子氏
 東海地区4県が、1つの目的に向かって長期間にわたる調査研究を続け、それが各会員に発信されていることは、他地区には見られない素晴らしいことです。今後の学校事務においては、学校財務及び学校情報をマネジメントする力が重要になります。
元 東海事務研会長 桑原伸幸氏
 組織、個人にはそれぞれの役割があり、それが果たせた時に、大きな成果につながっていきます。事務職員の考えだけによる取組みには限界があるため、他者を巻き込み、課題解決を図っていくことが必要です。

参加者の声

4県の研究は、どれも「子どもたちのために」という言葉がキーワードになっており、これからの学校事務は、そのことが大前提であることを強く感じました。(岩手:女性)


第3分科会

第3分科会の様子
第3分科会の様子

 教育委員会やNPO法人との協働事業で、校務や事務の効率化を図るために、「教育支援システム」が構築されました。
 また、子どもたちの安全を保障していくためにも情報管理・危機管理のリーダー的役割を担っていくことが望まれるという提案でした。

質疑応答

Q  USBメモリの使用禁止をどう思うか?
A  現場の仕事の状況に合わないルールは作っても、機能しない。現状にあったルールづくりをし、決まったことは必ず守ることが大切。
Q  今後も教育支援システムを活用していくには?
A  繰り返し研修することに限る。上越市では情報指導員が各校を回ってサポートしている。
ワークショップ

 助言者の藤村裕一氏により進められました。
 「学校における情報セキュリティはどうあるべきか」「今後期待される情報管理・危機管理と事務職員の果たす役割とは」の2点について、グループでの話し合いを行った後、代表者より寸劇を交えたりしながらの発表がありました。
参加者の声

校務内容を網羅している。職員全員が使えるよう研修の機会を確保する必要がある。(青森:女性)
ここまでのすばらしいシステムは見たことがない。本県でも将来の導入を強く望む。(茨城:女性)
助言者より

上越市教育委員会学校教育課指導主事   
川住晴彦氏
 行政やNPOなどの外部組織との連携を模索し、視野を広く持ち、前向きに取り組みましょう。校務の情報化により生まれるゆとりが、教育をより良くしようとする意識・意欲の高まりにつながります。
NPO法人上越地域学校教育支援センター長 曽田耕一氏
 今求められる力は、コミュニケーション、コーディネーション、コラボレーションです。自分の想いを伝え、相手の想いを知ること。自分の想いを具現化し、他者を活用すること。相手の想いを実現していく中で自分の想いを実現していきましょう。
鳴門教育大学大学院 准教授 藤村裕一氏
 金がない・人がない・ビジョンがないと嘆くより、仲間と熱く語り、今日学んだことを基に明日から一歩踏み出しましょう。

第3分科会の様子

第4分科会  「スクールガイド作成」ナビグループと「子ども、保護者、地域との関わり」子どもグループより、提案型事務職員への道の実践報告がありました。

助言者より

 全体構想が明確で具体的な発表だった。事務室は情報収集・管理等の発信源としての役割を担っている。しかし、学校事務職員の厳しい現実は変わらない。制度を変えて意識を変えていく事が大切である。

第4分科会の様子
講演

学校教育と事務職員の役割−連携の視点から−
京都産業大学連携推進室長・文化学部   
教授 西川信廣氏
 今の子どもたちの学力低下やいじめ・不登校・学級崩壊等の問題から、学校の組織マネジメントの改善が必要である。
 教員は学力向上のために、家庭・地域との連携や小中連携教育に取り組んでいる。事務職員は制度改革から意識改革を行い、職務開発から教育改革推進事務へ取り組むことが必要である。
パネルディスカッション
和歌山県海南市立仁義小学校 綿野淳子氏
 現任校は今年度で廃校になってしまうが、「この子どもたちのために何ができるか」を最優先に仕事をしている。
滋賀県大津市立堅田中学校 林香里氏
 危機管理から小中一貫のスクールガイドを作成する必要性があった。小中連携に何を期待するのか、目的意識を持って始められたのが良かった。
プール学院大学国際文化学部   
准教授 佃 繁氏
 教職員力を上げなければ学校力は上げられない。チームとしての役割を認識し、我々の立場で動けることをしていきたい。
大阪府吹田市教育委員会指導課長   
大田正義氏
 吹田市は学力向上のために小中一貫を取り上げているが、学校事務職員は各校のスケジュールの調整や他職との連携を図ってほしい。
京都産業大学連携推進室長・文化学部   
教授 西川信廣氏
 良質な関係が大切で、質の向上が、お互いの質を高める。スタンダードを上げていくことが大切。また、それぞれの年代でリーダーとしての役割を担って欲しい。
フロアより

我々の専門性を生かしていくためには、やはり制度化が必要だと思った。
自分だけでなく、若い事務職員や地域とどのように協力して取り組んでいくか考えていきたい。
第4分科会の様子  

第5分科会  分科会には約100名の参加者があり、どんな危機に対しても「冷静・柔軟」に対処するため、ヒロシマ小学校のマニュアルを見ながらシュミレーションを行いました。また、危機に直面した際に見えてくる非常時の行動パターンを「危機管理覚書」と「危機管理対応ポイント10」にまとめ、提示されました。その中で、事務職員は「コンプライアンス・リーダー」の役割を担うべきだと位置づけられ、危機から救う『あみいご』を合い言葉に情報管理を通して安心して安全に過ごせる学校を支える事務職員像を提案しました。
第5分科会の様子 第5分科会の様子  続いて図上訓練と討議に入り、9つのグループに分かれ熱心に話し合いを行いました。その後3つのグループ代表が発表を行い、時折、笑い声も聞こえるなど和やかな雰囲気でした。

質疑応答

Q  危機発生時からの経過をきちんと記録をとるために、日頃から意識するための重要なポイントは何か。
A  5W1Hを念頭に日頃から落ち着いて行動すること。
Q  コンプライアンスのための研修はあるのか。
A  広島県事務研では、まだそういう研修は取り組んでいない。他の機関や自治体で行う研修に積極的に参加することも一つの方法である。
参加者の声

情報のセキュリティ管理を担当している。これからは、情報の持ち出しを前提としたシステムの開発が必要になると思います。(福島:男性)
いろいろな情報管理に対応できるよう、連携を密にして取り組んでいきたいと思っています。(千葉:女性)
危機回避は、日常の心構えが大切なのだと感じました。改めて自分の仕事について考えます。(愛知:女性)
助言者より
鳴門教育大学地域連携センター   
准教授 阪根健二氏
 私たちは危機と背中合わせにいるという現実的な認識が必要です。外国では、ある出来事に出合った時、自分自身の生き方に責任をもって選択するという考え方があります。
 危機に陥る前の対応について
 (1)迅速的な意思決定と行動(最初の一手)
 (2)情報開示(何をどこまで)
 (3)社会的視点(不自然でない対応)
 万が一、問題が発生してしまった場合には、問題発生直後の適切な判断とそれに基づくコミュニケーション活動の実施が必要になります。

第6分科会
第6分科会の様子
 寸劇を交えながらの提案にぐいぐい参加者が引き込まれていく雰囲気の中、徳島の「学校事務グランドデザイン21」を基に、提案1として教育効果を高めるために学校組織の見直しの必要性、提案2として学校が現在抱えている問題解決のために、環境整備による教育支援や危機回避への様々な実践について発表されました。
第6分科会の様子  午後からは参加者の意見交換・情報の共有・心の交流の場になるようにという提案者の思いから実施したワークショップにより、グループごとに活発な意見交換が行われました。

質疑応答

Q  組織の見直しは校長も必要と思っているのか。
A  まずは教職員及び保護者の意識を変えていく努力をしなくてはならないと考えている。
Q  環境整備の取り組みは全職員で実施したのか。
A  全職員でやることよりも気づいた者、出来る者が実行することが大切。そうしないと変わっていかない。継続することが大切である。
参加者の声

前向きで、事務職員の未来に期待がもてる発表に感動しました。同じ方向に向かって全ての事務職員が組織として動くことの大切さを学びました。(兵庫:女性)
第6分科会の様子意識改革が大切で、自分も徳島支部で発表されたようにやっていきたい。(愛知:男性)
助言者より
東みよし町教育委員会教育長 川原良正氏
 学校は、子どもたちに確かな学力をつけ豊かな人間性を育む場所です。そして何より児童生徒との信頼関係を築くことが大切です。心と心が通い合う教育、人として一番大切なことを常に子どもたちに教えていかなければなりません。
 今回の実践は、子どもたちや学校のために行われたすばらしいものでした。楽しい学校、笑顔で過ごせる環境を整え、さらに円滑な学校運営のため、これからも学校現場の声をいち早く反映出来るような教育委員会でありたいと思います。
 これから職場において一人でも多くの理解者を増やし、学校での定着を図り、学校のトータルプロデューサーとして活躍する事務職員を目指してください。

第4分科会  「学校力(学校の総合力)」をキーワードに、事務研の組織力・研究力を生かした事務処理規程や学校管理運営規則等の改正に関わるまでの研究の取組が紹介されました。

質疑応答

Q  事務処理規程に教員からの反発はなかったか?
A  規程にすることで標準化し、喜んでもらえた。
Q  事務主任の発令について。
A  臨時的任用以外の職員に全て発令される。
Q  事務職員の意識統一はされているのか?
A  当初はバラつきがあったが、学校管理運営規則の改正後は事務職員が必要性を感じ、よりよいものを求めるようになった。
Q  事務処理規程は絶対に必要だと思うが、県教委市教委に必要性を認めてもらうには?
A  人事交流により学校の実情が分かる方を中心に繰り返し働きかけをしてきた。学校がよくなる状況が説明できれば説得力があるだろう。

第7分科会の様子

 経験の浅い事務主任でも、共同実施により経験のある職員がカバーできるということや、事務主任と事務長の職務や権限についての話が多く出された。
助言者より
都城市教育委員会教育委員長   
内田國昭氏
 子どもたちをどう育てていくか、その手助けを教員と事務職員が一体となっていかなければならない時代となりました。事務研と県教委が協力し、子どもとどのように関っていくかで、これからの教育は変わっていくでしょう。
第7分科会の様子
静岡大学教育学部附属教育実践総合センター   
准教授 藤原文雄氏
 学校事務職員の強みは実践を語る場があるということです。実践を言語化することで、その中に存在意義を見い出せます。現場にいる強みを生かし、地に足のついた素晴らしい研究でした。
参加者の声

全てが共同実施と職務標準化から始まっているように思います。この2つを行うべく努力が必要だと感じました。(宮城:男性)
長年にわたる地道な活動の積み重ねに、頭が下がります。素晴らしい発表でした。(福島:女性)
昨年やっと通知が出された状態です。宮崎県は進んでいると思いました。(愛知:女性)

第4分科会  全県で実施している共同実施への取組みと、「いわてのこれからの学校事務、学校事務職員はどうあればよいか」「岩手県の教育改革」等に共同実施がどのように関わっていくのかについての提案がされました。

質疑応答

Q  共同実施が可能と考えられる時間と実際に費やしている時間の差の原因、教育委員会と学校間の経営権、再構成等は意識していないのか。
A  月2回参集という時間的制約があること及び共同実施に取り組んで日も浅いため、次の課題として取り組んでいるところである。
討議

 討議の柱となった「希望(ゆめ)をカタチに」には、ささやかな望みから壮大な希望へという思いがこめられていると司会者の説明のもと、活発な討議がされました。助言者の日渡氏からは「共同実施は集まっている時間だけなのか、定型業務だけが共同実施なのか、共同実施を学校事務職員サイドのみから見ているが学校運営組織等その先にあるものを見ていかなければいけない」という発言がありました。
第8分科会の様子
助言者より
放送大学大学院 教授 小川正人氏
 共同実施の可能性は、効率化が目的でなく、学校事務職員が学校経営に関わっていくこと、学校の自律化を図れるということにある。
ミニ講演
放送大学大学院 教授 小川正人氏
 地方分権の時代であり、地域の核に学校を位置づけ、地域づくりの中で学校経営を考えていかなければならない。
宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町教育委員会教育長 日渡円氏
 学校の組織を変えていくことで、学校事務職員が、どうあればよいかが見えてくる。
座談会

 助言者のお二人と、提案者により、共同実施、人事権の委譲について座談会形式で話し合いがもたれ、参加者からも意見が出され、盛り上がりました。
第8分科会の様子
参加者の声

組み立てもよくしっかりとまとめられていた。もう少し「共同実施」の具体的内容に触れてもよかったのでは…。財政面で厳しい状況にはあるが、工夫しながら展望を持って学校事務を進めていくことが必要と感じた。(岩手:男性)
大変興味深いお話を聞かせていただいた。それぞれの県での仕事に対する要望・課題が私たちの県と通ずるものを感じた。(茨城:女性)

第9分科会  私たち事務職員が、子どもの豊かな学びを保証するために何ができるかを提案する分科会でした。午前中は校内諸規程のモデルと学校予算要求システムについて提案され、それぞれに質疑応答、助言がありました。午後からは教育課程にどうかかわっていくかについて3校の実践が紹介され、研究協議から指導助言という流れで進みました。
 研究協議では、年間指導計画に「人・もの・金」を記入した実践例が鳥取県より報告されました。その実践から、予算を伴うものと予算を伴わなくても実践できる指導計画があることがわかりました(公用車を出せばできる。申請を出して減免すればできるなど)。また、その実践で大切なことは、先生方の思いを聞くことが大切であるということでした。
第9分科会の様子


質疑応答

Q  校内規程の実践にあたって校内にどのように浸透させていくか、その手立てを教えてほしい。(鳥取県)
A  仕事の流れを作ったり、有効性を打ち出して職員の共通理解を促している。
参加者の声

質問が沢山出て、活発な分科会だったと思う。参加者の財務への関心が高いことの証拠である。タイムリーで期待どおりの分科会だった。(静岡:男性)
自分の学校で予算委員会を立ち上げて2年になるが、取り入れられる実践があればいいと思って参加した。いい事例を聞くことができて良かった。(鹿児島:女性)
 
助言者より
東北大学大学院教育学研究科   
教授 小泉祥一氏
校内での共通理解に関しては、人が人に働きかけることで理解者を増やしていくことが大切です。プロセスは大変ですが、楽しんでほしいと思います。それが学校の中でネットワークを作ることに繋がるからです。
標準化は合理化であるが、合理化に当たっては一人一人の意見を大切に進めていかなければいけません。そうすることでネットワークが作られ、学校の経営力がアップしていきます。
 今までの積み上げを見直していくことによって、新しいものが生まれてきます。また、このシステムが大切であるということを実証していくことが必要です。

第10分科会  東北4県からの提案で、1つの県の提案後、質疑応答、意見発表、助言者より助言をいただくという、1県毎に完結するスタイルで発表が行われました。
 山形県・秋田県は共同実施に関連する提案で、山形県から、県内の加配あり、加配なしで実施している学校間の連携について、秋田県からは、学校間連携と市町村教育委員会との協同についての発表がありました。青森県からは「標準的職務一覧表」「職務内容についての目標」「補職名別職務一覧」の報告が、福島県からは、学校財務における学校・地域での実践についての提案がありました。
第10分科会の様子


質疑応答

山形県:加配校に兼務発令がされていないことが疑問だという意見が多く出された。また、県内で共同実施が周知されていないという回答があった。
秋田県:非常勤職員に関する質問がされ、待遇については、1日6時間、週30時間の勤務で、社会保険、労働保険に入っている。報酬はすべて県費で賄っているとの回答があった。
第10分科会の様子 秋田県:鳥取県の事務職員より、すでに導入されている職務標準表だが、当初は載っているものが全てできるのかという不安があったが、今ではほぼすべて行われているという意見があった。
福島県:3つの研究に対し共感の意見があった。財務を執行する上での、学校長の職務権限が重要だという熱い意見交換があった。
 
助言者より
福島大学総合教育研究センター 特任教授 宮前貢氏
 学校とは子供たちの心を受け止め、その思いや願いを実現させ、保護者の信託に全職員の力で応えるところです。
 学校に説明責任が求められている今、学びたいと思っている子供たちの心をどれくらい達成できているのか、学校の取組の評価が重要です。そのためには、自己評価をまず進めて、外部に説明責任を果たしていく必要があります。
 各県の発表すべてにかかわることですが、校長と市町村教育委員会の連携がとても重要です。気軽に話し合えるような関係が望ましいのです。
 今、事務職員の仕事が広がっています。広がっていく中でも、焦点化する必要があります。各々の課題を基に、テーマを絞り、それを深めなければなりません。
参加者の声

一つの分科会で四県の現状などを、聞くことができ、大変参考になった。会場の参加者からの意見を踏まえ、論戦を繰り広げながら、学校事務の未来を語り合うスタイルは良いと思う。(長野:男性)

ご参加ありがとうございました  40周年記念全国公立小中学校事務研究大会福島大会は、お陰様で2,800名を超える会員の参加をいただき、3日間の大会日程を無事終了することができました。周年大会として初めての地方都市での開催ではありましたが、実行委員一同「福島の豊かな自然とともに故郷(ふるさと)の心を届けたい」との思いを込め、大会の準備を進めてまいりました。
ビッグパレット  大会の開幕を告げた、郡山市立大島小学校児童による「ふるさとの四季メドレー」の澄んだ歌声はいかがだったでしょうか。真剣に耳を傾けられた講演や各報告、そして、積極的な討議がなされた各分科会等いずれも実りの多いものになったことと思います。それがなにより私たちの喜びです。この3日間の皆様方の熱い想いを成果に結びつけ、来年の福岡大会につながることを期待いたします。ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。

気をつけて帰ってくなんしょ(会津弁)
(お気をつけてお帰りください)


 第41回全事研福岡大会が、平成21年8月5日より福岡国際会議場(福岡市)を会場として開催されます。宮崎県での全国大会が、1991年でしたので、18年振りに、九州での全国大会が実現します。

子どもの豊かな育ちを支援する学校事務    
     つなげよう! 新たな挑戦へ
           − 飛梅とびうめにのせ 全国へ −

平成21年8月5日〜8月7日


 来年は、教育改革が始まって10年目です。また、「共同実施」の提案からも10年近く経ちます。
 この10年を振り返れば、全国の学校では、新しい実践の試みが個々の学校で進められ、点のように散在しているのではないでしょうか。それらの小さな点と点を線でつなぎ、面へとひろげてゆき「新たな挑戦」へつなげていこうという願いをサブテーマに込めています。また、「飛梅にのせ全国へ」とし、別称「とびうめ事務研」で福岡大会をアピールしたいと思います。
 シンボルマークは、福岡県の花でもあり、学問の神様である太宰府天満宮の「飛梅」をメインのモチーフとしました。また、赤を用いることで、参加する事務職員の熱き想いや、子どもを見守っていこうとする温かな気持ちを表現しました。さらに、大きく元気よく両手を広げた子どもの姿をシンボライズして大会テーマである「子どもの豊かな育ち」をあらわします。